不動産用語集

用語の頭文字

あ行

頭金

購入代金を分割して支払うときに最初に支払う代金。通常、商品引き渡しの際に支払われる。頭金は、以後支払う分割代金よりも多額であることが多い。

たとえば住宅ローンを利用する場合には、購入代金を金融機関から借り入れて販売者に一括して支払ったうえで、借入金を金融機関に分割返済することとなる。この場合に、通常、購入金額のすべてを住宅ローンの対象とすることはできず、代金の一部(一般には20%程度)は自己資金で支払わなければならない。この住宅購入時に住宅ローンを充てることなく自己資金で支払う代金が「頭金」である。

か行

建ぺい率

敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。

建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。

さ行

敷金

建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。

修繕積立金

管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。

住宅インスペクション

既存住宅を対象に、構造の安全性や劣化の状況を把握するために行なう検査・調査をいう。日本語の「住宅」と英語のInspection(検査)を組み合わせた造語である。

住宅インスペクションは、目視等を中心とした現況把握のための検査、耐震診断等の破壊調査を含めた詳細な調査、性能向上等のための調査など、目的に応じて異なった内容で実施される。

既存住宅の売買に当たっては、現況把握のための検査が実施されるが、そのためのガイドラインとして「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(2013年、国土交通省)が公表されている。同ガイドラインの概要は次のとおりである。

1)インスペクションは、検査対象部位について、目視、計測を中心とした非破壊による検査を基本にして、構造耐力上の安全性、雨漏り・水漏れ、設備配管の日常生活上支障のある劣化等の劣化事象を把握する方法で行なう。
2)業務の受託時に契約内容等を検査の依頼人に説明し、検査結果を書面で依頼人に提出する。
3)検査を行なう者は、住宅の建築や劣化・不具合等に関する知識、検査の実施方法や判定に関する知識と経験が求められ、住宅の建築に関する一定の資格を有していることや実務経験を有していることが一つの目安になる。
4)公正な業務実施のために、客観性・中立性の確保(例えば、自らが売り主となる住宅についてはインスペクション業務を実施しないなど)、守秘義務などを遵守する。

また、建物状況調査における人材育成等による検査の質の確保・向上等を進めるため、「既存住宅状況調査方法基準」(2017年、国土交通省)が定められ、それに従ってインスペクションを実施するための「既存住宅状況調査技術者講習」が制度化された。

同基準は、既存住宅状況調査は既存住宅状況調査技術者講習を終了した建築士が行なうこと、調査は、構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に係る調査として、調査対象住宅の構造に応じて規定する劣化事象等をそれぞれ定める方法により調査することなどを定めている。

なお、宅地建物取引業に基づき、宅建業者は、1)既存住宅の媒介契約に当たって交付する書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しなければならず、2)重要事項説明に当たって、建物状況調査に実施の有無及びその結果の概要を説明しなければならないとされているが(2018年4月1日から適用)、この場合の建物状況調査は、建築士又は国土交通大臣が定める講習を終了した者が実施する者に限定されている。

セットバック

2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。

相続

死者の有した財産上の一切の権利義務を、特定の者が包括的に承継することをいう。

相続は、死亡のみによって、意思表示を要せず一方的に開始される。ただし、遺言により相続の財産処分について生前に意思を明らかにし、相続に反映させることができるが、この場合には、遺留分の制約がある。

財産の継承者(相続人)は、1.子・直系尊属・兄弟姉妹がこの順で先順位の者が(同順位者が複数あるときには共同して均等に)、2.配偶者は1.の者と同順位で常に、その地位を得る。子・兄弟姉妹の相続開始前の死亡や相続欠格等の場合には、その者の子が代わって相続人となる(代襲相続)。
また、相続人は、相続の開始を知ったときから3ヵ月以内に、相続の承認、限定承認、相続放棄のいずれかの意思表示が必要である(意思表示がないときには相続の承認とみなされる)。

遺言の指定がないときの相続分(法定相続分)は、1)配偶者と子のときには、配偶者2分の1、子2分の1、2)配偶者と直系尊属のときには、配偶者3分の2、直系尊属3分の1、3)配偶者と兄弟姉妹のときは、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1である。

なお、法定相続分は遺言がない場合の共同相続人の権利義務継承の割合を定めたもので、遺産分割は相続人の協議等によってこれと異なる割合で行なうことができる。

た行

仲介手数料

宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。

定期借家契約

平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。

テラスハウス

2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。

な行

任意売却

住宅ローンの返済が困難になった場合に、抵当権が設定された住宅を法的手続き(競売)によらないで売却し、その代金によって残債務を解消する方法をいう。

住宅を売却するときには抵当権を抹消しなければならないが、任意売却はそれを債権者との協議によって行なうことができる。この場合、債権者の承諾が必要であるほか、売却を仲介する者の選任を求められるのが通例である。

任意売却は競売を回避する手法であるとともに、残債務の返済スケジュール等について交渉する余地を残した債務処理の方法である。例えば、転居費用の確保、引き渡し時期の調整、任意売却による返済金が債権額に満たない場合の対応などについて協議できる可能性がある。

や行

容積率

延べ面積敷地面積で割った値のこと。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の延べ面積が90平方メートルならば、この住宅の容積率は90%ということになる。

建物の容積率の限度は、原則的には用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
さらに、前面道路の幅が狭い等の場合には、指定された容積率を使い切ることができないケースもあるので、注意が必要である。

ら行

礼金

建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。